ECサイトでは様々なロイヤリティプログラムで購入者の購買意欲を高める施策が行われています。その中でもスタンプカードはAmazonや楽天といった大手ECサイトでも積極的に利用されている施策です。
この記事ではECサイトでスタンプカードが導入された事例を紹介します。
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Amazonでは「プライムスタンプラリー」と称するキャンペーンを定期的に実施しています。これは主にプライム会員向けの施策で、「対象商品を購入」「Prime Videoを視聴」「Amazon Musicを利用」といったような複数のサービスに対してミッションを設定して、スタンプを集めることで特典を得られると言うものです。
2023年4月14日〜25日の期間に行われたこのキャンペーンでは、スタンプを集めることで、最大2万ポイントが当たる抽選に応募できるというものでした。
この施策によりAmazonは会員に対して、普段利用していないサービスに触るきっかけを与え、Amazonプライン特典全体の活用度を高めました。
スタンプを全て集めた際の報酬も、全員にクーポンやポイントを付与するのではなく、抽選に応募できる権利にしたことも上手い点だと思います。最低限のコストでクロスセル施策を実行した好例だと言えるでしょう。
また非常に短い期間だけのキャンペーンなので、お客様からのお問い合わせへの対応といった運営面のコストも限定的です。
Amazonはサービス横断だけではなく、単体のサービスでもスタンプカードを有効活用しています。2025年5月〜7月末までの期間限定で、「プライムビデオ スタンプカード」を提供しており、映画のレンタルなどを行った際にはスタンプが貯まり、貯まった数に応じてクーポンをプレゼントするキャンペーンを実施しています。
この施策では短期間で連続でプライムビデオの視聴をすることが求められます。見たいと思っていた作品が貯まっていた利用者にとってはお得な機会ですし、プライムビデオでスムーズに映画をレンタルする体験に慣れた利用者が習慣化/リピーター化することも期待できます。
最初の特典を利用するためには最低4回は映画をレンタルする必要があり、対象商品の金額も399円以上と決まっているため、割引分の原資は十分元が取れる施策といえると思います。
楽天ペイでは2024年9月より、スタンプカード機能が追加になりました。楽天ペイ加入点で決済するか、ポイントカードを提示するだけで店舗毎のスタンプが貯まるといった仕組みです。またQRコード読み込みでスタンプを付与する機能もあるため、実際に実店舗に足を運んでもらうことにも繋がります。
楽天はプレスリリースで下記のような狙いがあるということに触れています。
加盟店は「スタンプカード」を導入することで、新規顧客の誘客、既存顧客の来店頻度や購買単価の向上、会計時のオペレーションの効率化など、サービスの向上につなげることが可能となります。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000527.000057042.html
Yahooショッピングでは加盟店が利用できる機能としてVIPスタンプというものを常時提供しています。この機能は、設定した最低金額以上の商品を1つ購入するごとにスタンプを貯めることができ、3つ貯めるとVIPという特別会員になり、買い物で付与されるPayPayポイントの付与率が向上するという仕組みです。
同一の店舗で複数回の購入をすることで特典が付与される仕組みであり、さらにスタンプの有効期間が60日間と短めなことから、対象ストアでのリピート購入を強力に後押しする仕組みであると言えます。