【2025年6月】Shopifyの新しい無料テーマHorizonとは?有料級の機能に加えてAIブロック生成機能まで備えた新スタンダード【テーマ選定】

【2025年6月】Shopifyの新しい無料テーマHorizonとは?有料級の機能に加えてAIブロック生成機能まで備えた新スタンダード【テーマ選定】

はじめに

Shopifyは2025年5月に新しい無料テーマHorizonをリリースしました。2021年以来デフォルトテーマとして扱われてきたDawnに変わる新しいスタンダードテーマという位置づけで、シンプルなデザインと有料級の機能の数々、そしてAI機能を備えた全く新しいテーマとなっています。この記事ではHorizonの概要や新機能について解説してきます。

Horizonの概要/新機能

10種類の派生テーマ/プリセット

Horizonの基本的な機能を基盤として、異なるデザインのテーマがHorizonの他に9種類リリースされています。全て無料で利用することができ、機能的にはHorizonと代わりがありません。

DawnがスタンダードだったときもCraftやSenseといった派生テーマが同時にリリースされており、Dawnがバージョンアップした際には全く同一のバージョンアップがされていました。

2025年6月13日現在、Horizonのバージョンは1.0.4ですが、派生テーマも一律で1.0.4にバージョンアップされているため、今後もバグ修正や機能改善は同時に行われいくと見てよいと思います。よって純粋に好みのデザインかどうかで利用するテーマを選ぶことができます。

テーマブロック機能

ストアをカスマイズする際のテーマブロックが新しくなりました。ブロックを丸ごとコピーして別の場所にペーストするといった柔軟な編集が可能になっています。これまではセクションに追加できるブロックの種類は限定的でしたが、Horizonではデフォルトで様々なブロックが用意されており、テキストやビデオなどを柔軟に配置できます。

またこれはDawnなどの他のテーマにも恩恵がある部分ですが、テーマエディターでブロックを追加する際に、マウスホバーをするだけでそのブロックのプレビューが表示されるようになりました。これまでは実際に配置して、外観を確認しては別のものを試すといったことをしていましたが、よりスムーズにストアの編集ができるようになります。このHorizonでは試せるブロックの数も多くなったため、特にこの進化はありがたいものとなります。

マウスホバーでブロックのプレビュー

AIブロック生成

Horizonの目玉の一つといえるのが、このAIブロック生成機能です。テーマエディター上で自然言語によるブロック生成を行うことができます。日本語での指示も受け付けており、「カウントダウンタイマー」と入力するだけで、Liquidのファイルらしきものを生成して、実際に使えるカウントダウンタイマーブロックを生成してくれます。(まだ日本語UIは洗練されておらず、変換を確定するためのエンターキーを検知してプロンプトの入力を締め切ってしまうなどの問題はあります。)

生成されたブロックは実際にカウントダウンの動作をするだけでなく、表示する文言や終了日設定、終了時刻設定といった設定までに可能になっており、少しデザインを修正すれば十分使えるレベルになるものです。

Horizonの評価

便利な新機能満載の素晴らしいテーマですが、現在のところレビューでの評判は著しくありません。30件あるレビューのうち、肯定的なレビューは23%と少し低めにはなっています。Dawnであっても34%しか肯定的なレビューがついていませんので、Dawnと比べて圧倒的に不評という程でもないです。

不評なレビューコメントをいくつか抜粋しておきます。Dawn以来では初めての大型変更ということもあり、まだ安定しないところもありそうです。

Dawnにあった機能/設定がない

開発者の皆さん、新しい変更は気に入っていますが、Dawnテーマにあるいくつかの機能/設定が欠けています。例えば、ヘッダーメニューのドロップダウンとメガメニューの設定などです。これらを元に戻してください。ありがとうございます。

ShopifyはDawnからこれに移行して、なぜ基本的な機能を失ってしまうのでしょうか?改善された点もありますが、機能的な要素を削除するのは理にかなっていません。商品ページは画像と情報のバランスが悪く、重要な設定が欠けています。見た目は良いのですが、完全に使いこなすには大幅なアップデートが必要です。Shopifyがこれを支持しているなんて驚きです。

非常に期待でき、次のバージョンに期待しています。しかし、コレクションページの無限スクロールを無効にするオプションがなく、コレクションページに表示される列数や商品数もカスタマイズできません。これはDawnテーマの基本機能です。商品コレクションのモバイルカルーセルは、より使いやすいDawnテーマのように2列ではなく、1列と1.5列しか表示されません。リリースが早すぎます。

バグがある

バグと動作の遅さがいくつかありました。商品カルーセルでは矢印が画像の下に表示され、部分的にしか表示されない商品がUXを損ないます。無限スクロールを無効にすることはできません。良い点としては、最初のバリエーションの価格だけを表示するのではなく、フィルターに基づいて価格が更新されるのは素晴らしいです。カート内の割引クーポンシステムも素晴らしいです。

テーマは素晴らしいですが、現在多くのバグがあります。その 1 つを報告します。カートをページ (タイプ: ページ) に変更し、製品ページで数量とクイック購入ボタンを無効にすると、製品をカートに追加するときに、カート内の製品の数量を示すアイコン (数量の丸) がカートに表示されません。

個人的に気になった機能/デザイン

コレクションに無限スクロール機能が標準採用

Horizonではコレクションページで無限スクロール機能が標準採用になっています。これまでは有料テーマかアプリを導入する必要がありましたが、デフォルト状態でこれが可能になっているのは大きいです。

無限スクロールとは、SNSなどによく見られるUIの一種で、スクロール位置に応じて自動的にコンテンツを追加ロードして表示していく仕組みのことです。ページ遷移などの操作やロードの待ち時間を短くできるため、ユーザーの離脱率が低くなる効果があり、沢山の商品を訴求することができます。

Horizonへの移行は難しいけど無限スクロールには興味がある場合は下記のアプリをぜひお試しください。Horizonではできない手動ローディング機能や、ローディングインジケーターのカスタマイズ等にも対応しています。

豊富なアニメーション

随所に散りばめされた豊富なアニメーションもHorizonの魅力だと感じました。まだ最適化されておらず、若干重い部分もありますが、ショッピングをしていて心地よく感じるようなアニメーションは使っていて楽しいです。

おわりに

この記事では2025年5月にリリースされたShopifyの新無料テーマHorizonについて解説しました。まだ安定しない部分もありますが、これまでは有料でしかありえなかった機能やAIブロック機能などの多くの特徴をもった魅力的なテーマです。今後のスタンダードになることは間違いないテーマですので、今後も追っていきたいと思います。今回の記事がテーマ選びの参考になれば幸いです。